秋の気配を感じる今日この頃。夏の暑さが和らぎ、過ごしやすい穏やかな気候がやってきました。 「食欲の秋」「スポーツの秋」など、様々に表現されるこの季節ですが、やはり外せないのが「読書の秋」ですね。

なぜ、秋は読書に最適と言われるのでしょうか?その由来や、秋ならではの読書の楽しみ方をご紹介します。


 

「読書の秋」の由来は?

 

「読書の秋」という言葉が定着した背景には、いくつかの説があります。

 

1. 中国の漢詩に由来する説

 

最もよく知られているのは、古代中国・唐代の詩人、**韓愈(かんゆ)**が詠んだ漢詩の一節です。

  • 「時秋積雨霽、新涼入郊墟。燈火稍可親、簡編可卷舒。」 (時、秋にして積雨(せきう)霽(は)れ、新涼(しんりょう)郊墟(こうきょ)に入(い)る。燈火(とうか)ようやく親しむべく、簡編(かんぺん)巻舒(けんじょ)すべし。)

これを意訳すると、「秋になり長雨があがって空も晴れ、涼しさが広がった。夜の灯に親しみ、書物を広げられるようになった」というような意味になります。

つまり、暑い夏が終わり、ようやく夜の灯りの下でゆっくりと本が読める涼しい季節が来たことを喜んだ、というわけです。

 

2. 集中しやすい気候である説

 

科学的にも、涼しく安定した秋の気候は、集中力を高めるのに適していると言われています。 夏の疲れも取れ、本格的な寒さが来る前の過ごしやすい時期は、心身ともにリラックスして、本の世界に深く没頭するにはうってつけなのです。

 

3. 「読書週間」の存在

 

終戦間もない1947年、「読書の力によって平和な文化国家を作ろう」という志のもと、「読書週間」が始まりました。現在では10月27日~11月9日の2週間が読書週間と定められており、この期間を中心に全国で読書に関するイベントが開催されることも、秋と読書を結びつける要因となっています。


 

秋の夜長を彩る、読書の楽しみ方

 

過ごしやすい秋は、読書を一層豊かにするエッセンスが満載です。

 

1. 温かい飲み物と一緒に

 

お気に入りのコーヒー、紅茶、ハーブティーなどを傍らに、ゆっくりとページをめくる。温かい飲み物の香りと湯気に包まれながらの読書は、至福の時間です。

 

2. 気分を変えて「外読書」

 

公園やカフェのテラスなど、涼しい風を感じられる場所で読書を楽しむのもおすすめ。紅葉を眺めながら、自然の中で物語に思いを馳せてみるのも素敵です。

 

3. ジャンルを広げてみる

 

普段は手に取らないジャンルに挑戦してみてはいかがでしょうか。

  • 長編小説や歴史小説など、じっくりと時間をかけて読めるもの。
  • エッセイや詩集など、秋の情緒を感じさせるもの。
  • 自己啓発や専門書など、知識を深めるためのもの。 新しい扉を開けば、読書の秋がさらに充実するはずです。

 

4. 「読書ノート」をつけてみる

 

読んだ本のタイトルや感想、心に残った一節などをメモする「読書ノート」は、後から読み返すと楽しかった時間がよみがえります。読んだ内容を整理するのにも役立ちますよ。


涼やかな風が心地よく、夜の時間が長くなる「読書の秋」。 ぜひこの機会に、あなたにとって特別な一冊を見つけ、心ゆくまで読書の世界に浸ってみてください。

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